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【法改正】名義人の住所変更等登記の義務化

【法改正】名義人の住所変更等登記の義務化

リーガルフェイスの田中です。数か月ぶりの登場です。

この度、所有者不明土地を解消するための方策として令和3年4月に民法及び不動産登記法等の一部改正に関する法令等が公布され、相続登記の義務化は公布から3年以内の施行(令和3年法律第24号附則=以下「附則」という。=第1条第2号)が予定されていますが、併せて所有権の登記名義人に関する氏名又は名称及び住所の変更登記の義務化も公布から5年以内の施行(附則第1条第3号)と法令で定められました。
相続登記義務化の詳細は、下記の記事もご参照ください。

相続登記義務化の改正法が成立! 施行はいつから? 10万円の罰則⁉ 

以下、変更登記の義務化について現時点で判明していることを記述します。


1.概要

まずは所有権登記名義人の氏名、名称、住所等の変更登記義務化について概要を解説いたします。

期限は2年!

 所有権登記名義人の氏名若しくは名称(法人)又は住所について変更があったときは、その変更があった日から2年以内(相続登記は知った日から3年以内)に、変更登記の申請をしなければなりません(改正後の不動産登記法=以下「新不登法」という。=第76条の5)。

怠った場合は、5万円以下の過料あり

前記の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がない(何が正当な理由なのかはまだ分かっていません)のにその申請を怠ったときは、5万円以下の過料(新不登法第164条第2項)になることがあります。過料については、法務局から通知を受けた裁判所がその具体的数値を決定しますが、どのような場合に法務局が裁判所に通知を出すのかは、今後、法務省令等で規定が設けられる予定です。


また、所有権の登記名義人の住所等の変更登記は、公布から5年以内の施行日前に所有権を取得した場合にも適用されるので、不動産取得後に住所等に変更があった場合は、その変更日又は施行日のどちらか遅い日から2年以内に変更登記をすることとなり(附則第5条第7項)、早めに変更登記することが必要となることに留意する必要があります。

前記のとおり、所有権の登記名義人が自然人の場合は、その住所又は氏名の変更があった時、所有権の登記名義人が法人の場合は、その商号・名称又は本店に変更があった時が、変更登記の申請をすべき場合に該当し、その登記の申請は変更が生じたときから2年以内と期限の制限が設けられたので、期限内に申請することを忘れないよう注意が必要です。

2.変更情報が登記簿へ反映される仕組み

続いて、登記所が所有権登記名義人の氏名又は名称及び住所の変更情報を不動産登記記録に反映させる仕組みについて簡単に解説いたします。

改正法施行後は、登記官の職権で変更登記される場合も。

変更登記申請をすべき義務がある者が申請する場合以外に、登記官が住基ネット又は商業・法人登記システムから変更情報を取得し、法務省令の定めるところにより職権で変更登記ができるようになりました(新不登法第76条の6)。ただし、所有権登記名義人が自然人の場合は、その申出があるときに限られます(DV等による被害者保護のため、住所情報に公開の制限を設ける場合などは職権で変更できない)。

変更登記の申請時、検索用情報の提供を求められる

さらに法の施行後、自然人が新たに所有権の登記名義人となるときは登記官が定期的に住基ネットからの変更情報を取得できるようにするため、その登記申請の際に、氏名及び住所の情報に加えて生年月日等の検索用情報を提供することとなります。

検索用情報は登記記録上公示せず、登記所内部において保有するデータとして扱われます。なお、施行日前に既に所有権の登記名義人となっている場合は、①不動産の特定に必要な情報、②自己が登記名義人であることを証する情報、③検索用情報の内容を証する情報とともに、登記官に任意に情報提供することもできます。

3.所有不動産記録証明制度(仮称)

今回の法改正により、新たに所有不動産記録証明制度(仮称)が創設されることとなりました(新不登法第119条の2)。
所有権登記名義人の氏名又は名称及び住所の変更登記の義務付けに直接は関係しませんが、何人も登記官に対し、手数料を納付して自らが所有権の登記名義人として記録されている不動産に係る登記記録に記録されている事項のうち法務省令で定めるもの(記録がないときは、その旨)を証明した書面の交付請求ができるようになります。

現在は、都税事務所又は各市町村の税務課において、名寄せでその管轄内の自らの所有不動産について網羅的に確認することができますが、新制度は法務大臣が指定する登記所の登記官に対して交付請求することを認めるものです。

ただし、自ら所有する不動産について、所有権登記名義人の氏名又は名称及び住所の変更を、その都度変更申請を行っていない場合は、本制度が交付請求した情報と一致したものを一覧的に証明するものであるため、不動産の網羅性等に関しては技術的な限界があります。

まとめ

いずれにしても不動産を取得した場合には5年以内の施行を待たず、早めに氏名又は名称及び住所の変更を行うことが肝要です。

なお、法務省令は施行時期に合わせて定められるため、各手続きの詳細については後日改めてご報告したいと思います。

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