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第3回 住民票の除票及び戸籍附票の除票の保存期間が150年に?!

第3回 住民票の除票及び戸籍附票の除票の保存期間が150年に?!

 政府の有識者研究会は、昨年の夏、増加している所有者不明土地の解消に向けて、転居や死亡などで消除された住民票及び戸籍の附票の保存期間について、現在の5年間から150年間に伸長する報告書をまとめました。


 これは、戸籍の除籍謄本等の保存期間が150年となっていることと均衡がとれることと、所有者不明土地の持ち主を見つけやすくする狙いからも、関連法の改正案は第198回通常国会(2019.1.28~6.26の会期)に提出されました。


 不動産を所有する者が死亡した場合は、法務局に対して相続を原因とする所有権移転登記を行う必要がありますが、被相続人と登記名義人が同一人であることを証するために、被相続人の住民票の除票(本籍地の記載があるもの)を添付することとなっています。


 【住民基本台帳法施行令第34条】()内は筆者が加筆した。
 「市町村長は、第8条(転出、死亡)、第8条の2(国籍の取得、喪失)、第10条(転居)若しくは第12条第3項の規定により消除した住民票又は第19条(除籍)の規定により全部を消除した戸籍の附票を、これらを消除した日から5年間保存するものとする。第16条(職権で改製)の規定に基づき住民票又は戸籍の附票を改製した場合における改製前の住民票又は戸籍の附票についても、同様とする。」


 上記のとおり、現行法令では住民票及び戸籍の附票の除票の保存期間は5年間と規定されています。5年間で廃棄されてしまうため、様々な手続きで不都合が発生しています。


 「所有者不明土地問題」や「空き家問題」についても、登記記録上の所有者の住所の履歴を確認する手段が失われていることが、問題の解消を困難にしている要因ともなっています。


 相続登記手続きの側面から見ると、住民票及び戸籍の附票の除票が5年間で廃棄されてしまうと、登記記録上の所有者と被相続人の同一性を判断する公的な書面の材料が不足又は存在しなくなるため、相続登記に要する添付情報以外に、当該不動産の登記済証又は登記識別情報通知の写し、場合によっては、上申書(相続人の印鑑証明書添付)や不在籍・不在住証明などを添付情報として法務局に提供しないと、登記申請が受理されないという状況にあります。保存期間が150年間になれば、公的な書面が不足することもなく、各種手続きがスムーズに処理されることが期待されることから、早期の法案成立を望んでいます。


 【追伸】 2019年4月26日、住民票及び戸籍の附票の除票の長期保存を含む関連法案が衆議院内閣委員会で可決されました。保存期間延長に関する政令が制定され早期に施行されることを望みます。

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