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生活保護と遺産相続

生活保護と遺産相続

こんにちは。
リーガル・フェイスの佐藤です。

ご相続の相談を受けていると、相続人のなかに生活保護を受給している方がおり、
その方が遺産を相続した場合、現在受給している生活保護がどうなるのか
気にされていることがあります。

 

今回は、生活保護を受給している方が相続人である場合の
遺産相続の注意点についてご説明したいと思います。

 

1.生活保護を受けていても遺産を相続できる

遺産を相続する権利は相続人に等しく認められる権利です。
そのため、生活保護を受給していても遺産を相続することはできます。

2.遺産を相続すると生活保護費の受給停止、廃止になる場合がある

では、生活保護受給者が遺産を相続した場合はどうなるのでしょうか。

 

遺産の相続が「保護を必要としなくなったとき」(生活保護法第26条)に
該当する場合には、生活保護が停止または廃止されることになります。

 

保護の「停止」とは、生活保護費の支給が一時的に中断される場合をいい、
保護の「廃止」とは、保護の利用資格自体が失われる場合をいいます。

 

そして、6か月以内に再び保護を要する状態になることが
予想される場合は生活保護が「停止」され、6か月を超えて
保護を要しない状態が継続すると認められる場合は保護を
「廃止」するという運用がなされています。

 

また、一回限りの臨時的な収入であるような場合、
保護を停止することなく6か月の期間にわたって分割認定され、
支給される保護費が減額調整される場合があります。

3. 相続放棄をするか否かの判断は慎重に行う必要がある

では、生活保護を受給し続けるために、
遺産の相続放棄をすることができるのでしょうか。

 

相続放棄をするか否かの判断は他人の意思によって
これを強制すべきではないため、生活保護を受給されている方も、
相続放棄をすること自体は可能であると考えられます。

 

ただし、生活保護は
「生活に困窮する者がその利用しうる資産、能力その他あらゆるものを、
その最低限度の生活の維持のために活用すること」(同法第4条)が受給要件ですので、
相続する遺産が「最低限度の生活の維持のために利用しうる資産」に
該当すると判断された場合には、相続を放棄して生活保護を受けることが、
その資産を自ら放棄し、受給資格を欠く不正受給と判断され、
保護費の返還を求められる可能性があります(同法第78条)。

 

したがって、相続放棄をするか否かの判断は慎重に行う必要があります。

 

もっとも、相続する遺産が多額の借金である場合など、
最低限の生活の維持のために利用しうる資産とはいえないような場合には、
相続放棄を検討すべきといえます。

4.遺産を相続することが分かったら

生活保護の受給者には、「収入、支出その他生計の状況に変動があったとき」の
届出義務が課せられています(同法第61条)。

 

したがって、遺産を相続することが判明したら、
すみやかに、保護の実施機関又は福祉事務所長にその旨を届け出なければなりません。

 

相続したことを報告せずにいると、被相続人の死亡日まで遡って
受給した保護費の返還を求められる可能性があり(同法第63条)、
また、不正受給とみなされた場合には、
返還額の最大40%の額を徴収される可能性があります((同法第78条)。

 

リーガル・フェイスでは、相続全般のサポートをさせていただいておりますので、
困りごとがありましたら弊社までご連絡ください。

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