1. 相談の背景
10年前に相続手続きが全て完了していると思っていたが、相続登記漏れが発覚したので手続きをしてほしい
10年前にお母様を亡くされた方からの相談でした。
相続人はお母様の配偶者であるお父様とお子様2名でしたが、その当時は相続人同士の関係も良好で何の問題もなく相続手続きが全て完了していました(と思っていました)。
しかし、10年経ったある日、まったく聞き覚えがなく地縁もない不動産について、不動産を管理しているという不動産業者からお手紙が届きました。
なんと、お母様が昭和50年代に別荘地の一つを購入していたというのです。別荘地の有効利用のため、不動産会社が土地一体の登記簿を取得し、お手紙を出しているとのことでした。
実は、10年前の相続手続きはお母様の遺言を基に手続きをしたのですが、その遺言には当該不動産の記載が漏れており、相続登記手続きから漏れてしまったようです。
さらに、遺言記載の財産の引継ぎ方に偏りがあったことによって、子供同士の関係が悪化しているという現状もあるなかで、途方に暮れて、お子様のうち長男の方が相談にいらっしゃいました。
2. 相談に対する弊所の対応
相続登記おまかせプラン
まずは相談者様に詳細を聞いていったところ、お父様はすでにお亡くなりになっていて、二男の方とは疎遠であるということでした。
お父様が亡くなっているため、当時の戸籍のみでは手続きができないという状況です。
お父様の戸籍取得のご依頼とともに、不動産の漏れが無いかここでしっかり調べたいというご要望もありましたので、当該不動産の市内の不動産調査も行いました(2026年3月現在では「所有不動産記録証明制度」によって全国の不動産の名義調査が可能です)。
上記のような相談でございましたので、「相続登記おまかせプラン」+「不動産調査」にて受託させていただきました。
3. 結果
遺言の段階でもう少し財産調査ができていたら・・・
1か月ほどかけてすべての資料は整いましたが、問題は二男の方との相談です。
当該不動産はいわゆる「負」動産ということで、相続人の方たちは不動産の押し付け合いのような形になりかけていました。
しかしながら、お手紙を出した不動産業者に相談をしたところ、当該土地の場所がほかの不動産に比べて有効活用し易い場所にあるということで、廉価ではありましたが買い取ってくれることになりました。
売却の道筋がついたところで改めて兄弟同士相談したところ、「相続登記も義務化されている現状で徒に話し合いを長引かせたくない」との相続人同士の意向もあり、2分の1ずつの持分にて相続登記することになりました。
相続登記が無事完了した後に相続人がおっしゃったのは、「母が遺言を書くときに、財産の特定について父には相談をしていたようだが、父も忙しくそれを疎かにしていた、それは仕方がないことではあると思う。ただ、自分たちが遺言者になるときは財産を漏れなく調査するために専門士業の見識を借りながら次の代に迷惑がかからないようにしたい」ということでした。
弊所では生前対策をする際の財産調査の必要性詳しくお伝えするとともに、遺留分についても詳細のご説明をしています。
本件は最終的にまとまりましたが、財産に遺漏がある場合で相続人同士の合意ができない場合は調停などでの解決になるケースもございます。
次世代の方に負担が無いよう対策をしていきたいですね。







