1. 相談の背景
自分の代で登記の整理をしておきたい
10年前にお父様を亡くされたが、その時は仕事に忙殺されていて登記手続きを行っていなかったということでご相談にいらっしゃいました。
ご自身もある程度高齢になってきたので、自分の代できちんと相続登記を行い、下の代に迷惑をかけたくないという強い思いがありました。
ただ、登記簿を確認したところ、お父様が債務者である抵当権がそのままになっていることが分かり、その調査及び登記についてもご依頼をいただきました。
2. 相談に対する弊所の対応
相続登記おまかせプラン+抵当権抹消登記
ご相談者様に詳しくお話を伺ったところ、お兄様はお父様が亡くなる前に死亡され、お父様が亡くなった後にお姉様が死亡していることが分かりました。
戸籍調査において、お兄様、お姉様の相続人を確定する必要があるのでその分を取得し、約二か月ほどかかって戸籍がすべて整いました。
ただ、お兄様・お姉様のご相続人とは疎遠であったということで、相続の事実や相続の方針にご理解をいただけるようご相談者様はお手紙をお送りし、数回にわたって協議方針をすり合わせていきました。
最終的に不動産はご相談者様が、金銭は甥御様・姪御様が取得する内容で整い、大変安心いたしました。
さらに、抵当権については、かなり古いものでしたが現在も存在している金融機関であったため、まずは返済済みかの確認を行ったうえで書類再発行を依頼いたしました。
回答及び再発行までは数か月かかりましたが無事書類が届き、相続登記及び抵当権抹消登記の申請を行い完了いたしました。
この時点で、ご相談から3か月が経過していました。
3. 結果
お父様がお亡くなりになった後速やかに手続きを行っておけば・・・
今回のご相続登記に当たっては、甥御様・姪御様と遺産分割協議を進めていくということが一番のハードルでした。
御祖父様が亡くなったことを甥御様・姪御様はご存じなく、そのことをお知らせするともに財産の分け方を相談しなければいけないということで、ご相談者様は丁寧なお手紙をお送りされていました。
最初は戸惑われていた甥御様・姪御様でしたが、ご相談者様の真摯なお気持ちが伝わり、協議書締結までは短い期間でまとまりました。
また、抵当権の抹消登記も一つのハードルでした。
今後は当該不動産を売却することも考えられており、とにかくこのタイミングで抹消まで漕ぎつけたいということで抹消登記のお手伝いも行いました。
すべての登記の完了をご報告したときには、相談者様は大変安堵されておりました。
「お父様がお亡くなりになったときに速やかに動いていれば、もう少し事務がスムーズにいったのでは・・・」とちょっとした後悔もお話いただきました。
今回のように相続を放置しておくと次の相続も発生する可能性があります。
相続が発生した際には、なるべく早めにお手続きを進めることが良いかと思います。