スタッフブログ

BLOG

2019/09/25

日々のお仕事

誰にでもミスはある

こんにちは森井です。

 

最近、少し珍しい登記がありましたので、今回はそのご紹介をしたいと思います。

 

我々の日々の業務の一つとして、不動産売買の決済を円滑に進めるために、登記に必要な権利証や印鑑証明書などの

書類を事前にメールやFAX頂き内容を確認させて頂いております。

ある時、印鑑証明書の写しを頂いたので見てみると、そこに記載された住所が登記簿上の住所と違っていたので、

「登記簿上の住所変更登記が必要になりますね」

 (※役所で住民票の変更手続きをしても登記簿上の住所は自動では変わらず、別途法務局で変更登記申請が必要になります。)

とお伝えしたところ、

「住所は変えていないのですが」

との回答が、

 

???

 

住所を見比べてみると

登記簿の住所が   ”向島●丁目■番▲号

印鑑証明書の住所が ”向島●丁目■番▲号

違いは東があるか無いかだけです。

可能性としては・・・

 

① そもそもの登記申請が間違えており、法務局が看過して登記を完了しまった。

② 登記簿のコンピュータ化の際に登記記録の移記をミスしてしまった※

(※元々登記簿は紙媒体のブック形式で記録がされておりましたが、コンピュータ化するにあたり、

その時点で効力のある権利関係をコンピュータ上のものに移す作業をしています。

今回の登記簿には昭和63年法務省令第37号附則第2条第2項の規定により移記と記載がなされていました。)

 

②の場合は法務局側の手違いなので申請をしなくても職権で更正をしてもらえます。

①の場合には、更正登記申請をする必要あり当然費用もかかってしまいます。

 (こちらの場合も法務局が見逃しているので一応先方にも落ち度はあるのですが、

  あくまで我々の登記申請通りに完了しているのでなかなか職権更正は認めてはもらえません。)

 

真相を解明するため、移記前の紙媒体の登記簿の確認に管轄の法務局へ向かいました。

(※コンピュータ化後の登記記録はどこの管轄でもインターネットで確認できるのですが、

コンピュータ化前の紙媒体の登記記録を確認するには管轄の法務局に出向く必要があります。)

 

出されてきた紙媒体の登記簿で所有権移転した際の住所を確認すると、

 

向島●丁目■番▲号” (印鑑証明書の住所と同じ)

 

つまりは法務局側の移記ミスでした。これでお客様に余計な費用を負担させないですむとほっと一安心。

その場で現在の謄本を見せて、移記ミスがされている旨を伝え職権更正を依頼の上、帰路につきました。

 

 

事務所に戻って最新の謄本を取得してみると、もうすでに更正が完了していました。

なんたる早業!!(通常は登記完了に1~2週間かかります)。

登記簿には「登記官の過誤による職権更正」と記載がなされます。

 

このように、法務局といえどもやはり作業しているのは人間。ミスはしてしまうものです。

我々も個人の資質の向上はもちろんのこと、相互チェックする体制でミスを無くし、

安心安全な登記申請を努めていかなければならない、と改めて気を引き締めた次第です。

 

 

ページ上部へ戻る