こんにちは、森井です。
実務をしていると、教科書には載っていない難問に出くわすくことがたまにあります。
今回はそんな一例をご紹介したいと思います。
決済まであと2日と差し迫った中、売主さんから焦った様子で一本の電話がありました。
『権利証があるんですが、破れてしまってるんですが大丈夫でしょうか?』
一部破損している事や、汚れてしまっている事はよくあることなので、
詳しく話を聞いてみると物理的に2つ破れて完全に分断されてしまっているとのこと。
権利証は唯一無二の存在でその物事体に意味があるので正直ちょっと厳しいかもとの印象。
(一方、登記識別情報はあくまで情報なので通知された紙事体が破れていても効力に影響はない)
ちなみに他の法的書面で検討すると、
日本の紙幣の場合、
破れて手元に残っている場合、その面積によって全額または半額の交換が可能
(交換前の破れた紙幣事体を使用することはできない)
契約書等の場合
破棄する意思をもって破いたのでなければ当事者間では基本的には有効
(第三者に提出する場合は提出先の判断によると思われる)
今回このような事情から事前に権利証をお預かりさせてもらうことができたので、
(一般的には代金の決済時のお預かりすることになります)
管轄の法務局に確認してもらうことに
結論としては
”明らかな改ざんの跡が見受けられなければ、権利証事体が破れて分断されていたとしても、
一体のものとして確認してもらえる。
但し、登記済みの印影部分が切れてしまっていると微妙”
これで無事決済を迎えることができました。
もし決済当日に言われていたら判断に迷っていたと思います。
事前確認の大切さを再認識するいい事案でした。
ちなみに弊所では書類の紛失や破損防止のために、
重要書類には写真のようなクリアファイルに入れて管理しております。
これで多少の雨に打たれても、もしコーヒーをこぼしてしまっても、中には浸透しないので安心です。
※当然それ以上に個人の意識が大切なので、
とても大事な書類をお預かりしているといことを自覚して仕事に取り組んでおります!!